三島由紀夫『仮面の告白』 結尾

──時刻だった。私は立上がるとき、もう一度日向の椅子のほうをぬすみ見た。一団は踊りに行ったとみえ、空っぽの椅子が照りつく日差のなかに置かれ、卓の上にこぼれている何かの飲物が、ぎらぎらと凄まじい反射をあげた。

一九四九、四、二七

(新潮文庫、P238)

架空の告白小説という趣向。